サルバドール・ダリ「欲望の謎、母よ、母よ、母よ」が好き!

カルチャー

みなさん、こんにちは。いろはです。

今回は、わたくしに非常に強い影響を与えた天才画家、サルバドール・ダリをご紹介します。
サルバドール・ダリは、シュールレアリズムの画家として、誰もが知る巨匠です。
今日は、そのダリについてお話ししてみます。

サルバドール・ダリ(Salvador Dalí、1904年ー1989年)

1、シュールレアリズムって、何?

シュールレアリズムとは「超現実主義」と言います。

その運動は、初めは詩人たちのあいだで起こりました。
1924年、詩人のアンドレ・ブルトンによる『シュールレアリズム第一宣言』によって確立されました。
翌1925年の第一回展には、そうそうたる画家たちが参加しました。
エルンスト、キリコ、ピカソ、クレー、アルプ、マン・レイ、ミロ、など、現在なら誰もが知る顔ぶれですね。

ダリが参加したのは、少し遅れて1929年からだったようです。

 アンドレブルトン(André Breton, 1896年- 1966年)

2、ダリとは何者?

1、ダリの生い立ち

さて、今日の主役のサルバドール・ダリは、スペインの東北端フィゲラスにおいて1904年5月11日の午前に生まれました。

ダリの生まれる3年前に、同じサルバドールという名前の兄が7歳で脳膜炎にかかって亡くなっています。
父親は、ダリが亡くなった兄にそっくりだということで同じ名前をつけたようです。

ちなみに、サルバドール(Salvador)は、「救世主」という意味で、キリストの別称でもあります。

ダリは早くから画才を発揮して、10歳の時には、最初の油絵『子供の病気』という自画像を描いています。
12歳の時には、「僕は印象派の画家です」と言っていたそうです。
現在の感覚からすれば、非常に早熟ですね。
17世紀のオランダの画家フェルメールに惹かれて写実主義を試み、22歳の時には『パン籠』と言った非常に写実的な作品を描いています。

  「パン籠」(板、油彩 31.5 cm × 31.5cm)

2、シュールレアリスト、ダリ

さて、そのダリですが、いつ頃からシュールレアリズムの作品を描くうようになったのでしょうか。

ダリは、学生の頃から精神分析の創始者のフロイトの著作に親しみ、精神分析学に強い関心を抱いていました。
フロイトの潜在意識や深層心理学の学説と強い結びつきがある〈シュールレアリズム運動〉のメンバーになる前には、すでにシュールレアリストだったようです。

 ジークムント・フロイト( Sigmund Freud、1856年- 1939年)

さて、〈スペイン現代の三巨匠〉といえば、ダリ、パブロ・ピカソ、ジョアン・ミロです。

この三人の年齢差をみますと、ピカソの12歳下がミロです。
そしてミロのさらに11歳下がダリになります。

そのミロが、シュールレアリズム・グループの画家や詩人たちにダリを紹介したのです。

3、二種類に分けられる〈シュールレアリズム〉

1、いろいろあるシュールレアリズム絵画

さて、シュールレアリズの絵画は、大きく次の二つの種類に分類されます。

  • A、オートマティスム(自動記述)による様式
  • B、夢や幻覚の写実的描写による様式

Aは、頭に浮かんだイメージを意識を挟まずにそのまま描き進めたり(自動記述)、偶発的な効果を利用したりして描きます
ジョアン・ミロアンドレ・マッソンがその代表的な画家です。

Bは、夢や幻覚といった非合理的なイメージを、写実的に描く手法です。
リアルな写実で表現するところが特徴です。
ダリの他に、ルネ・マグリットジョルジョ・デ・キリコがその代表です。

  ルネ・マグリット『白紙委任状』

2、偏執狂的・批判的方法

ダリは、自らの方法論を「パラノイアック・クリティック(偏執狂的・批判的)」と言います。
彼自身の表現によりますと、
「精神錯乱の現象の解釈的、批判的連想にもとづいた非合理な認識の自発的方法」
ということです。

その作品では、有名な柔らかく垂れ下がる時計や、燃えるキリンなど、それをみた人の無意識の中にある強いイメージを表現されていますね。

  『記憶の固執』(油彩、26.3㎝×36.5㎝)

4、“芸術の目”を開いた衝撃作品

 1、ダリとの出会い

わたくしが、この『記憶の固執』を初めて見たとき、強い衝撃を受けたのです。

それは19歳の時でした。
それまでは、絵画は特に何も興味はありませんでした。
ですが、たまたまテレビをつけた時に、NHKの番組「日曜美術館」でダリのこの作品が紹介されていたのですね。

それを見てわたくしは、「凄い!絵ってものはどんなものでも自由にイメージしてを描くことができるのだなぁ」って思ったのです。
そしてその後に、近くの図書館に行ってダリの作品集を手にとって、その素晴らしい作品たちを知ったのです。

その出来事があってから、他の画家たちの作品にも強い興味を持つようになってきたのです。

2、ダリによって開かれた“芸術の目”

それは非常に感動的な出来事でした。
ダリの作品によって、わたくしは《芸術の眼》が開かれたのですね。
「自分の中に新しい自分を発見した!」というのは、まさにこのことでしょう。

皆さんには、こうした体験はありますか?

  『焼いたベーコンのある柔らかい自画像』(油彩 61.3㎝×50.8㎝)

さて、この自画像は、軟らかくなって崩れそうな顔を何本もの松葉づえで支えられている、というダリ自身の姿を表現しています。
このようにダリは、自分の中に湧き上がった表現しがたいイメージを、食べ物のような感覚で表現しました。

こういったダリ作品を観るのは、とても気持ちの良いものですね。

5、『欲望の謎、母よ、母よ、母よ』

この作品は、ダリ自身も最も重要な作品の一つとみなしているそうです。

1929年、ダリが25歳の時の作品で、パリの個展に発表された、売れた最初の絵です。
右下に描かれた顔は、母親の顔は胎児のようでもあり、穴の空いたチーズの様な黄色い胴体(?)に、顔の頰に群がった蟻。

  『欲望の謎、母よ、母よ、母よ』(油彩、110㎝×150㎝)

胴体のくぼみの中には、(ma mere 母よ)という語が30数個書かれています。
本体の後ろ側にも、ライオン顔の不思議な生き物などが描かれていて、観る人を不思議な感覚に誘い込みますね。

ダリの作品を観ると、絵画はどんなことでも自由に描けるなんでもありの世界だとわかります。
ダリの作品は、無意識的に常識に縛られて生きている私たちに、大きく新しい世界を開いてくれる可能性がありますね。

今日は、ごく簡単ですが、シュールレアリズムの巨匠サルバドール・ダリのお話でした。

 『新しい人間の誕生を観察する地政学的な子供』(カンヴァス、油彩 46㎝×52㎝)

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